人と地域の持続的成長循環モデルの実現を目指す“地域の人事部”である『NPO法人MEGURU(以下、MEGURU)』は、2020年11月に長野県塩尻市で設立されました。「はたらく」を通じて一人ひとりが自分の人生を生きるためのキャリア支援事業、中小企業に人事支援を行う人事パートナー事業、意志のある個人と法人を多様な形で結ぶマッチングプラットフォーム事業「ながの人事室」、地域の大学生と企業をつなぐ実践型インターン事業「CLIMEB(クライム)」など、その活動は多岐にわたります。

今回募集するのは、初めての採用となる「MEGURU」の社員候補。中の人として事業を伸ばし、組織を一緒に成長させていく人材を募集するということで、代表理事である横山暁一(よこやまあきひと)さんと、学生事業責任者の上野琉花(うえのるか)さんに求める人物像、これからの展望についてお話を伺いました。

地域の循環に寄り添う組織

インタビューのために伺ったのはJR塩尻駅から徒歩5分のところにあるシビック・イノベーション拠点「スナバ」。起業家や経営者、フリーランス、行政職員、高校生など、思いを持って事業やプロジェクトを動かす人たちが会員となり、集う場です。「MEGURU」もこの場所を拠点に日々活動しています。

「MEGURU」が拠点をおくシビック・イノベーション拠点「スナバ」では、日々さまざまなプロジェクトが勃興している。写真右手前が横山さん

横山さん「地域では人事部を置いている企業が少なく、採用や人材育成などを内製化するのは大変です。そうした機能を補い、地域ぐるみで人や企業の成長にコミットする“地域の人事部”になることを目指して立ち上げたのが『MEGURU』です。地域に住む一人ひとりが副業や兼業、パート雇用など、多様な働き方を通じて自分の意志を形にしていく。その結果、価値が地域の中で循環して、経済効果や企業の成長につながり、地域の活力になっていくというのが、『MEGURU』という名前の由来になっています。」

NPO法人MEGURU代表理事の横山暁一さん

“地域の人事部”構想は同様の課題を抱える他の自治体でも共感が強く、2022年度からは関東経済産業局の「地域の人事部実証地域」や経済産業省の「地域一体となった若者人材確保プロジェクト」の先進事例としても注目されています。横山さん曰く、“地域の人事部”というコンセプトは非常に腑に落ちているものの、やりがいを感じると同時に葛藤を抱えることもあるといいます。

横山さん「“はたらく”というテーマは誰にでも関係する広いテーマになので、関係者やプロジェクトの数も多岐に渡ります。その分スタッフの配置もマネジメントも大変になる部分もあるので、周囲からはもっと対象となる事業領域を絞った方がいいのではないか、というお声もいただくこともあります。」

「MEGURU」が描く、地域内での循環イメージをイラストで図解したもの。下方には、塩尻市役所や市民交流センターの「えんぱーく」や中小企業など、地域内で協働していく組織が並ぶ

地域の”はたらく”に向き合うということは、地域に暮らすさまざまな人たちの想いに向き合うこと。「MEGURU」の幅広い事業領域を見ていると、誰ひとり取り残さず、地域社会を構成している全員にオープンでインクルーシブなスタンスを持っているように感じます。そうした「MEGURU」だからこそできることがある。「MEGURU」で横山さんと一緒に働きながら、自らも学生に向けた事業を行う上野さんにお話を伺いました。

上野さん「最近ようやく言語化できるようになったのですが、地域においてどんなサービスも、組織も人も、全てはつながっているということが分かってきて。その中で、どこか一つの課題解決だけに特化しても、地域全体の底上げにはつながらないような気がするんです。『MEGURU』が包摂的な動きをするのは、地域の資源が循環することで、そこに住む人や関わる人たちを、残さず豊かにするためではないかと思います。私たち『MEGURU』が特化しているのは、地域の循環そのものに寄り添うことなんだと思います。」

例えば、「MEGURU」が主催する学生の実践型インターン事業をとっても、インターン経験を通じて学生個人の成長の最大化を目指すことは、突き詰めれば、優良な企業や組織を地域の中で増やしていくこととイコールかもしれません。

上野さんは「MEGURU」で長野県の学生の生き方を再構築するための実践型インターンシッププログラム「CLIMEB」や学生が多様な働き方に出会い価値観を更新する「いきはたパーク」運営する傍ら、大学生活も両立するなど、精力的に活動する

上野さん「横やん(横山)さんは一人ひとりを見る能力がめちゃくちゃ高いんです。行政も、商工会議所も、地域企業も含め、組織や個人の良いところ、得意なこと、やりたいことを常に知ろうとしているし、巻き込もうとしている。地域に寄り添うって、言うだけなら簡単かもしれませんが、それを本当に実行しているんです。」

地域で暮らす一人ひとりの思いを活かし、叶えていくための組織となりつつある「MEGURU」。それぞれの声に耳を傾けながら地域に寄り添う横山さんの人となりはどのようにしてできたのか、これまでの生い立ちや原体験について質問しました。

人間には誰しも自分の人生をこう生きたいという“意志”がある

出身は静岡県沼津市で、2人兄弟の次男として生まれた横山さんは、小さい頃から家族の中でのお調子者。当時の写真も「まともな顔で写っている写真がない」と、振り返ります。

横山さん「おそらく当時は3つ上の兄と自分を比べてたんだと思います。幼稚園からサッカーをやっていましたが、自分の前には常に兄がいて、何をやっても叶わない。サッカーも人間関係も器用な兄だったので、周囲から褒められている兄をみては、どうにかして自分も目立とうとしていたような気がします。」

転機となったのは小学校時代の担任の先生の一言。

横山さん「『あなたは将来、リーダーの立場になる人だから、日々自覚して行動しなさいね』と言われて。当時はなぜそんなことを言われたのかわからなかったのですが、先生から自分の本質的な部分を認めてもらったことが嬉しかったのか、その頃から学級委員長に立候補したり、いろいろと挑戦するようになりました。他者との相対比較の中で自分の価値を見つけるのではなく、自ら行動することで、自分に自信をつけていくきっかけをいただいたような気がします。」

徐々に自信をつけ始めた横山さんは、サッカーでも成績を上げるように。当時、サッカーの名門だった私立中学の門をたたき、練習に打ち込む日々を送った横山さん。中学・高校ともに副キャプテンでレギュラー選手として活躍し、常に自分自身の成長やチームとして成果を出すことに向き合ってきました。

ポジションはサイド。チームワークの大事さなどはこの頃に学んだという

その後、自らが変わるきっかけをくれた恩師の影響もあり、将来は教員になることを目指していた横山さんは、高校卒業後、教育や心理を学ぶことができる大学に進学。そこでは、思いがけない出会いが待っていました。

横山さん「大学に入学した時、人に関わるボランティアを経験したいと考えていたところ、障がい者に関わるボランティアサークルがあり、入会しました。知的にも身体的にも一番重い障がいを抱える人たちの生活介助を行うアルバイトをしながら、サークルとして、彼らにとっての自立とは何かを考え、人生設計をサポートするプログラムをつくっていました。」

自力では歩くことができなかったり、喋ることがままならない人たちと接する中で、横山さんは、人間であれば誰しもが普遍的に持っている“意志”の存在に気がついたといいます。

横山さん「介助スタッフを始めて間もない頃、障がい者の方の食事のサポートをしていたのですが、慣れている職員さんがスプーンを向けるとパクパク食べるのに、僕と交代したら一向に食べなくなってしまって。ただ、職員さんが戻ってくるとまたパクパク食べるんですよ。最初は全く理由がわからなくて落ち込んでいましたが、しばらくして、食べられないのではなくて、『食べない』というメッセージなんだな、とようやく気がついて。もしかしたらその人は『楽しく食事をしたい』と思っていたのに、僕がすごく淡々と食事をさせるから、『なんか嫌だな』と思ったんだろうな、とか。

それまでは、障がい者の方々をどこか『自分とは違う特別な人たち』という目で見ていたのかもしれません。しかし、彼らと接する中で、障がいの有無に関わらず、人間は誰しも自分の人生を『こういうふうに生きていきたい』という“意志”があるんだ、ということに気づきました。」

ボランティアでの活動での気づきが、今も学生や会社員、経営者と向き合う時の姿勢につながっているという横山さん

横山さんが実現したい未来は、生まれてからそれぞれが育んできた意志を、社会の中で発揮し、形にできている状態。大学2年目からサークルの代表も務めた横山さん。サークルで大事にしていたのは『他の誰のためでもなく自分のために活動をすること』でした。

横山さん「サークルメンバーに対しても一人ひとりがどういうふうに成長していきたいかに寄り添うことを4年間ずっとやっていました。僕自身も、サークル活動を通して自分の至らない点や、逆に得意なことや好きなことなどをいろいろ発見したように、最初は活動に消極的だった人が、最後は自発的にいろいろと活動していく姿を間近でみることが楽しくて。仲間のやる気スイッチが入る瞬間に立ち会いながら、『ああ、こういう瞬間ってやっぱりすごくいいな』と。」

サークル活動を経て、「自分が最も関心があるのは、前向きに生きようとする人たちの人生に立ち会うことなのかもしれない」と気がついた横山さん。まずは教員となる前に、「自らも社会に出ながら“はたらく”という機会を通じて自分自身の意志を発揮する人を増やしたい」と、人材サービスを提供する「株式会社インテリジェンス(現:パーソルキャリア株式会社)」に入社しました。最初に配属された愛知県名古屋市の中部支社では、法人営業を担当。電話営業からはじまり、各企業や経営者や人事の求人ニーズに対して最適な求人方法を提案し、伴走する忙しい日々を送りました。

誰かに課題解決を委ねるのではなく自分がやると決めた

地域社会やNPO、社会起業というテーマには、学生時代から興味を持っていたという横山さんでしたが、多忙な日々を送っていたこともあり、本格的にそれらのテーマが身近になったのは、鳥取県智頭町で行われた社会人研修に参加したことがきっかけでした。

横山さん「プログラムの懇親会としてBBQに呼んでいただいて。パン職人や、行政職員、地元企業の経営者の方もみんな集まってきて、『智頭町がこうなったらいいのに』とか『自分たちはこんなふうに生きたいと思っている』などと、話している場に混ぜてもらいました。自分が住んでいる名古屋市よりも人口規模は格段に小さいのに、智頭町では本気でまちのことを一緒になって考えるコミュニティがあることに非常に感銘を受けました。それからは、名古屋市でも市民大学のようなグループに関わり始めたりして、会社や家だけじゃない、自分と興味関心が近い人たちとのコミュニティにも積極的に参加しました。」

智頭町での地域課題解決プログラムの最終発表と自分自身の人生について内省を深めた最終日。この時に向き合った自分自身の価値観が今も根底に残っているという

奥様の実家が長野県諏訪市だったこともあり、この頃から徐々に長野県にアンテナが向き始めたという横山さんは、イベントで知り合った友人を訪ねて諏訪市に来た際、偶然「スナバ」の求人記事を発見したといいます。

横山さん「智頭町での経験から、自分がいろいろな地域を見る時に大事にしているのが、『自分たちが住むまちのことを本気で考える人たちがその地域にいるかどうか』という点です。僕にとって塩尻市や『スナバ』はそういう地域に見えたのでしょうね。記事を見つけた時に『こういう面白い人たちと一緒に働くことができたら楽しそうだなあ』とピンときて、応募したのがなんと自分の結婚式の前日だったという(笑)。」

その時は、会社業務との両立など、いくつかの条件があわずに不採用となったものの、面接を担当した市役所職員とはその後もたびたび連絡をとりあっていたという横山さん。その年の夏に「塩尻商工会議所」での地域おこし協力隊募集の際、再び声をかけてもらって応募したところ、無事採用が決定。「パーソルキャリア」に所属したまま、経験や人脈を活かしながら仕事ができるということで、2019年4月からは、名古屋市と塩尻市の二拠点かつ複業という形でのライフスタイルに切り替わりました。

横山さん「商工会議所の先輩方に毎日のように誰かにご紹介いただいて、着任した頃の写真を見返すと、本当に飲み会の写真ばかり(笑)。でも、この時につないでいただいたご縁が今に生きていると思います。」

塩尻商工会議所がコーディネーター団体として実施した「#複活」事業に参画した関係者でのキックオフ時の懇親会での一幕。様々な立場の人たちと本音で語り合うことで信頼関係を築いてきた

そのほか、横山さんは塩尻市内の40歳未満の事業者が入所できる青年会議所(※注1)にも所属し、市内でのネットワークは加速度的に広がっていきました。協力隊任期の後半からは、培ってきた関係性を活かし、「地域ベンチャー留学」という学生インターンの受け入れプロジェクトや、地域企業の経営課題を首都圏地域の複業人材とマッチングして解決する「#複活」という取り組みを企画・推進。また、「パーソルキャリア」と塩尻市をつないで、市のPR戦略(特任CMO)や中小企業の人材課題の解決(特任CHRO)などを行う、ハイクラスな副業人材を募集する「ixハイクラス副業」プロジェクトなど、数々の事業を手がけました。

しかし、プロジェクトのほとんどは国や市の予算の中で立ち上げられてきたもの。これらの人材事業を地域の中でもっと持続可能にしていくためにはどうしたらいいか……。悩んでいた横山さんの背中を押したのは、特任CHROで横山さんのメンター的な立場として関わっていた田口弦矢(たぐちげんや)さんの一言でした。

横山さん「田口さんからは『既存の組織の中でどうにかするのではなく、組織の外側に法人を立ち上げて、そこで事業化をしていった方がいい』と、助言いただきました。そして、『それをやるのは横やんしかいないでしょ』と。それまでは心のどこかで誰かが解決してくれると思っていたのかもしれません。でも、その誰かは待っていても現れないし、課題が勝手に解決されることはない。じゃあやっぱり自分がやるしかないのかもしれないなと、自分の中での進むべき道が少しだけ見え始めた瞬間でした。」

法人設立の構想が始まったのが、協力隊任期1年目の2020年3月。最終的に「NPO法人MEGURU」を設立したのは、2020年11月のことでした。

組織づくりのために人と話す中で、少しずつ腹が決まっていったという横山さん。「NPO法人MEGURU」の最初の総会には総勢14名の人が集まった

※注1: 1949年、明るい豊かな社会の実現を理想とし、責任感と情熱をもった青年有志による東京青年商工会議所(商工会議所法制定にともない青年会議所と改名)設立から、日本の青年会議所(JC)運動が開始。 共に向上し合い、社会に貢献しようという理念のもとに各地に次々と青年会議所が誕生。 1951年には全国的運営の総合調整機関として日本青年会議所(日本JC)が設置され、 現在は、日本全国に青年会議所があり、「修練」「奉仕」「友情」の三つの信条のもと、より良い社会づくりをめざし、ボランティアや行政改革等の社会的課題に積極的に取り組んでいる。 さらには、国際青年会議所(JCI)のメンバーとして各国の青年会議所と連携し、世界を舞台として、さまざまな活動を展開している。主に40歳以下の地域の若手経営者が加入し、地域貢献活動を実施している。

全てのはじまりは顔の見える誰かとの関係性から

「MEGURU」とたくさんの人がつながり、事業が生まれる理由は、横山さんの関係性のつくり方にあります。

横山さん「その時話している人の今の関心ごとや、何を求めているか、どんな立場なのかなどが無性に気になっちゃうんですよね。なぜ今の仕事をしているのかだったり、もっと言うと、なぜ今、僕と喋っているんだろうとか。」

大事にしているのは、自分の得意領域にこだわるのではなく、相手の本質的な望みやお困りごとに耳をすまし、ゼロからどんなことができるかを一緒に考えていく姿勢。だからこそ、誰かとミーティングする度に、やりたいことリストが増えていってしまうという悩みも。

経営者との飲み会の席でももっぱら興味があるのはその人個人のビジョンやこれまでの人生の話など。「ついつい深い話になってしまう」という横山さん

横山さん「見極めようとしているのはその人の意志なんだと思います。経営者の話を聞いているうちに『わかるなあ、それめっちゃいいですね』とか、そんな時間もないくせに、『ぜひ一緒にやりましょう』とか、『それだったらこんな人がいますよ』など、やっぱりどうしても関わりたくなったり、応援したくなっちゃう(笑)。」

現在横山さんと一緒に働く上野さんも、お互いの意志に共感したことで、事業を一緒に行っている仲間のうちのひとりです。

横山さん「上野と初めて会ったのは今から約2年前でしょうか。共通の知人から『学生に向けた事業をやろうとしている子がいて、一度話を聞いてもらえませんか』と紹介されたのがきっかけです。ちょうど上野がアフリカ留学から戻ってきて1年後くらいのタイミングかな。その頃には現在上野が主導で実施する事業の一つである『CLIMEB』の企画書ができていて、その企画書を見ながら一緒に話したのを覚えています。」

「誰もが自分の意志を社会の中で発揮できている状態」という世界観に共感するふたりは、お互いにとって根本的な価値観を共有し合うことができる貴重な仲間だ

当時は東京で行われていた事業を加速するための起業家プログラムに参加していたという上野さん。横山さんと関わる中で、地域で事業を起こすために「誰のどんなお困りごとをどう解決するか」という具体的な視点を持つ大切さを学んでいったといいます。

上野さん「都内の起業プログラムに参加していた頃は、手法や考え方などが今よりももっとマクロ的だったというか。学生に対する支援事業をやりたいと話していても、対象とする学生の顔が全く見えていませんでした。横やんさんと会話する中で、『まずは一緒にイベントを打ってみて、どういう学生がいるのか見てみよう』と打診いただき、地域で活躍する学生の講演・交流イベントを実際に打つなど、少しずつ対象となる学生の解像度をあげていきました。」

多様なはたらき方をする社会人や学生と出会うことで、学生の生き方の選択肢を広げていく機会「いきはたパーク」開催の際には、クラウドファンディングで資金調達も実施し、2023年2月には記念すべき第一回の「いきはたパーク」が行われた

「MEGURU」の事業領域は多岐にわたりますが、全ての事業は、直接的につながる誰かのお困りごとや欲求からスタートしています。誰かのお困りごとや、やってみたいという思いに立脚した事業を生み出す「MEGURU」は、単体の事業会社というよりも、さまざまな事業を生み出す環境を提供するオペレーションシステム(OS)的な印象を持ちます。

横山さん「いろいろなご縁ができる中で、『学校の先生たちってこういう事に困っているんだなあ』とか、『商工会議所で〇〇がやりたいけどできなくて困ってる』とか。そうした課題やニーズを捉えながら、『MEGURU』として何ができるか考えた結果、さまざまな事業が生まれています。そういう意味では『MEGURU』が行う事業は、僕と誰かの関係からスタートしているものが多いですね。」

関係人口創出事業「塩尻CxO Lab」では、過去100名近い方がオンラインコミュニティに参画。ここから移住者や起業家、二拠点居住者、複業人材など、塩尻との様々な関わり方を実現する人を生み出している

地域で自らが動く中でつながった人たちへの共感をもとに、有機的に事業がつくられていく。とても自然な流れである一方で、事業プロジェクトのほとんどが横山さん由来であることは、ほとんどの事業やプロジェクト進捗が横山さんに依存してしまうというリスクでもあります。

上野さん「さまざまな関係性の中で事業をつくっていくことは、横やんさんだからこそできることだと思う反面、それだと全ての事業プロジェクトが横やんさんありきになってしまうなあと思っていて。これまで『MEGURU』として培ってきた、地域を構成するさまざまな人たちとのつながりや、そこから生まれる可能性を大事にしながらも、持続的に成長していく組織の在り方を考えていくことが、目下の課題なのではないかと考えています。」

人の成長と価値の循環を通じてつくる豊かな暮らし

こうした現状を打破し、つくりたい世界の実現に向けた持続的な組織の体制をつくることが、「MEGURU」としての新たな挑戦です。求めるのは、つくりたい世界に共感し、「MEGURU」の中の人となって組織の良さを保ちつつ、一緒に成長していく仲間。いったいどのような人が望ましいのか、横山さんに詳しく伺いました。

横山さん「『MEGURU』ではたくさんの事業やプロジェクトが走っていますが、特定の事業を担当するというよりも、まずはプロジェクト横断型で僕と一緒に動きながら、さまざまなセクターの人たちとの関係構築をしていただきたいと思います。まずは、みんなと仲良くなるのが当面の仕事になると思います(笑)。もちろん、興味を持った特定の事業領域があれば、ゆくゆくは担当者として積極的に関わっていただけたらと考えていますが、『MEGURU』がこれまで大事にしてきた多様な人や価値観を受け入れる在り方や、顔の見えるサービスづくりのスタンスを理解し、共感しながら一緒に働くことができる方を求めています。」

現在、塩尻市の中心市街地大門商店街エリアの空き家を活用して滞在型交流拠点[en.to]を設立している。商店街最大の空き家から若者や関係人口、地域で活動するプレイヤーが交わり、人の流動を生み出す拠点として再生中だ

“はたらく”を軸に地域の循環に寄り添って活動する「MEGURU」には、必然的にたくさんのつながりが生まれています。ここまで多くの人たちに出会い、断片的にでも彼らの人生に介在できる仕事は他に例がないかもしれません。

横山さん「県外の人から県内の行政も金融機関も企業も個人も、自分が関わる地域を主語に、ここまでいろいろなセクターと連携ができる仕事は本当に少ないと思います。地域のキーパーソンとなる人たちと顔の見える関係性の中で連携しながら、地域の中で直接的に変化を生み出していくことができるのは、地域というスケールで活動する醍醐味です。さまざまな領域を知りつつ、楽しみながら働くことができる人に向いているのではないでしょうか。」

横山さんの最近の関心テーマは「豊かな暮らし」。おいしい食事や、家の工事なども“顔の見えるあの人”のおかげ。家族や自分をとりまく暮らしが顔の見えるつながりで成り立っている状態があればあるほど豊かさにつながるという

4期目に差し掛かる「MEGURU」の今後の目標は、自らの意志を地域の中で発揮する「コア人材」と呼ばれる人材を増やすこと。そして、塩尻市をはじめとする中信地区で「MEGURU」が発展させてきた”地域の人事部”構想を、他地域とも連携しながら広げていくことです。

横山さん「例えば、今支援している学生が社会人になって、地域の企業に入社するなど、“地域の人事部”として事業を続けていくからこその面白さが絶対にあるはずです。ただし、『MEGURU』の活動領域は、あくまで関係性が構築できている塩尻市や松本市などの中信エリア。同じように、他のエリアであれば、他の団体が主導する“地域の人事部”ができることがやっぱり理想だと思います。この輪が広がっていくことによって、長野県として人材を呼び込んだり、地域間での人材シェアやワークシェアも実現できるかもしれません。」

自分でプロジェクトや事業などを起こす人や、地域企業の中で生き生きと働く人。それぞれが自分の人生をこう生きたいという意志が地域の中で形となり、価値や笑顔が他の誰かにも波及していく。そうすることで、会社も地域も元気になっていく。まずは「MEGURU」という組織、そして、塩尻という地域から、ポジティブな循環を一緒に生み出していきませんか。

文 岩井 美咲

※ 撮影のため、取材時はマスクを外していただきました。

募集要項

[ 会社名/屋号 ]

NPO法人MEGURU

[ 募集職種 ]

地域人材コーディネーター

[ 取り組んでほしい業務 ]

「地域の人事部」構想の実現に向けた法人のプロジェクト全体に関わって頂きます。しばらくは代表の横山とともに行動していただき、様々な方々と関係構築並びに事業内容や業務進行、必要ノウハウ・スキルについて学んでいただきます。

・法人企業とのプロジェクト推進に関わるコーディネート業務
・産官学連携に向けた各セクターとの連携推進業務
・各事業の推進におけるプロジェクト推進業務 等

※雇用形態や関わり方によっては、業務内容の一部を担っていただくなど相談することも可能です。業務委託の場合、特定プロジェクトに集中して参画していただくこともできます。

[ 雇用形態 ]

正社員

※業務委託、パートタイム、プロボノ等、双方のニーズ調整の下、多様な働き方での参画も可能です

[ 給与 ]

フルタイム雇用:月給200,000円~280,000円
※経験・業績・能力・貢献に応じ当社給与規定により決定いたします

[ 勤務地 ]

長野県塩尻市大門八番町1-28
※基本的に塩尻・松本等中信エリアにおける業務がほとんどです
※業務内容によってはリモートで就業も可能です。その日の業務に応じてご自身で判断していただきます

[ 勤務時間 ]

フレックスタイム制(フルフレックス)
休憩時間:60分
時間外労働有無:有
<標準的な勤務時間帯>
8:30~17:30

※ご自身でスケジュール調整いただき、リモートや出勤等は自己管理頂きます
※業務委託の場合は規定せず
※その他状況に応じて柔軟に相談可

[ 休日休暇 ]

週休2日制(土・日) GW、夏季休暇、年末年始、慶弔休暇、有給休暇
※イベント等で土日出勤となる場合もございますが、その場合は振り替えで休日を取って頂きます
※週4日勤務等の勤務制度も選択可能です

[ 昇給・賞与・待遇・福利厚生 ]

・賞与(年2回)
・通勤手当(月当たり上限15,000円を負担)
・子ども手当
・各種社会保険
・自己革新補助(年間50,000円まで補助)
・副業兼業制度
 ※社会保険は就業時間に応じた加入要件に応じて適用します。

[ 応募要件・求める人材像 ]

<求める人物像>
・人との出会いを大切にできる方 NPO法人MEGURUの掲げる地域の人事部構想に共感し、熱意をもってともに推進頂ける方
・地域での課題や困りごとに目を向け、自分で解決しようと行動できる方
・人と協働することで成果を最大化することが得意な方
・目先の利益ではなく、長期的な視点や人との信頼を何よりも大切にできる方

<必須要件>
・社会人経験、もしくは長期インターン等それに類するもの
・普通自動車免許

<歓迎要件>
・人材業界での経験、キャリアコンサルタントなど
・法人営業経験
※基本的に人物、価値観、志向性を重視したマッチングです

[ 選考プロセス ]

書類選考

面接2回(リモート、現地)

内定
※選考期間は約2週間程度を想定しています
※取得した個人情報は採用目的以外には使用しません
※不採用理由についての問い合わせにはお答えできかねます

[ その他 ]
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