古くから別荘地として愛され、全国的に知名度を誇る長野県・軽井沢町。新幹線で都内から1時間とアクセスの良い立地に加え、自然豊かな環境が残る町内は、今、移住先としても人気を集めています。

今回の求人先は、軽井沢町を中心に近隣の不動産を扱う「タウナー不動産」。2015年創業の株式会社リグプラスが運営しており、不動産業と貸別荘事業の二軸で多くの移住希望者に寄り添ってきました。探しているのは、これまで外注をしていた貸別荘事業の内製化に向け、プランニングやマネジメントを担う事業責任者です。

「条件や能力もありますが、それ以上に軽井沢や長野の暮らしにワクワクして、自分の言葉でその魅力を語れる人と出会いたいです」と話すのは、同社代表取締役の荻原哲也(おぎはら・てつや)さん。社員の堀川凌雅(ほりかわ・りょうが)さんと一緒に、お話を聞きました。

高級別荘地から暮らしやすい移住先へ、変化する軽井沢

タウナー不動産の始まりは今からおよそ15年前、代表の荻原さんが地元・佐久市にUターン移住をしたのがきっかけです。力を入れているのは、移住・定住を検討されている方に向けた物件の紹介。

自身のUターン移住をきっかけに改めて気づいた暮らしの良さをもとに、お客様に物件の提案を行なってきた

荻原さん「軽井沢町といえば優雅な別荘地、避暑地として賑わう観光地をイメージされるかもしれませんが、実際に移住されている方は山に入って山菜を採ったり、自分で畑を耕したり、昔から住んでいる方よりもこの地域を楽しんでいる方も多いのが特徴です。町内は随所に自然が残り、空も山も刻一刻と色が変わっていく。濃い四季を体感できるのも魅力だと思います」

そんな「軽井沢らしい暮らしの実現」をサポートするため、物件の情報は場所や坪数、価格や間取りだけでなく、その場所でどんな時間が過ごせるのか、そこで生活するにあたってどんな便利や不便利があるのか、より暮らしをイメージしやすいことを意識しています。

町内のお店や移住者の声など、物件情報以外にもさまざまな情報を伝えるタウナー不動産のHP。すべては軽井沢の暮らしをより深く知ってもらうための工夫だ

荻原さんが会社を立ち上げた2015年は、まだ「軽井沢町は富裕層が滞在する高級別荘地」というイメージが強く、そもそも住める場所なのかという疑問を持つ声も多かったようです。

荻原さん「軽井沢町もそうですが、近年移住者が急増している御代田町も、当時は移住先としてほぼ知られていなかったと思います。行政と一緒に都内のアンテナショップ・銀座NAGANOで移住セミナーを開催したとき、1回目のセミナーで“御代田を知っている”と手を挙げたのは1割くらいでしたね。2回3回と回数を重ねるうちに徐々に空気が変わり、4年目のコロナ禍直前には6割くらいの手が挙がるようになっていました」

軽井沢町や御代田町が注目されるようになった背景には、移住セミナーなど公的な発信に加え、SNSで個人が自由にコンテンツを公開できるようになったことが影響しています。

荻原さん「新幹線で都内まで通勤ができるとか、休日はのんびり田舎暮らしが楽しめるとか。そういった個人の発信を通じて、意外と便利で冬も住める場所なのだとイメージが変わっていったと思います。都心のマンションや千葉県、神奈川県で戸建て住宅の購入を検討していた方たちが、軽井沢町内なら同じ値段で広い庭付きの戸建て住宅に住めると気づき始めたのです」

さまざまな要素が絡み合って、今も移住人気が高まる軽井沢エリア。タウナー不動産の事務所には移住に関するさまざまな資料が揃う

縁とタイミングが重なり始まった貸別荘事業

移住希望者の増加という追い風を受けて不動産事業が順調に育っていく一方で、「暮らしのリアルは、やはり実際に来てみないとわからない」という課題を感じ続けていた荻原さん。寒さのピークを迎える1月から2月の平均気温は−3度と氷点下は当たり前。降雪量はそれほど多くありませんが、町内は未舗装路や林道が多く、車での移動が困難な場合も多くあります。移住希望者に向けては、設備の整ったホテルに泊まってレンタカーやタクシーで便利に移動するのではなく、希望者が本当の暮らしに触れられる機会が必要でした。

スタッドレスタイヤを用意したり時間に余裕を持って行動したり、対策さえしていれば暮らしに困ることはない軽井沢町の冬。薪ストーブを囲んで過ごす時間は楽しみのひとつだ

荻原さん「貸別荘事業はずっと“いいな”と感じていたのですが、実際に動き始めたのは2017年くらいのことです。不動産取引のあるお客様から、偶然にも『貸別荘を運用したい』と声がかかり、清掃管理やお客様の対応などを請け負うことになって。翌2018年からは、そのノウハウを活かし “冬の暮らしの体験施設”という位置付けで社屋の裏にある物件の活用を始めました」 

こちらは2024年オープンの「THE LIVIDA 軽井沢west」。2棟合わせて最大14名泊まれ、部屋ごとプライベートを確保しながらリビングやキッチンで共に過ごす時間が確保できる設計 

「せっかく運営をするならば」と、冬の体験だけでなく夏も運用できる「貸別荘」として営業許可を取り、移住を検討されているお客様に向けて「暮らし体験施設も運営しています」と案内をするようになったタウナー不動産。現在は3棟の貸別荘を運営していますが、その大半は管理を外注に出している状態です。

コロナ禍でリモートワークが推進されたことなどを受けて移住者が増え、物件の値段も価値も上昇傾向にある軽井沢。観光については台湾系インバウンドが活況で、ホテルなど宿泊施設も増加しています。

タウナー不動産が運営している施設は、宿泊業のなかで「貸別荘」や「バケーションレンタル」と呼ばれるジャンル。通常のホテルとの違いは、より体験を重視しているところです。

荻原さん「さまざまなニーズに対応できる貸別荘やバケーションレンタルは、今後さらに伸びる事業だと思います。ただ、軽井沢で貸別荘をやろうと思うと、実はものすごくエリアが限られるんですよ。全体の7割ほどは用途地域の制限によって宿泊業が禁止されていますし、自然が多く残る別荘エリアは基本的に営業行為ができません。そうしたなかで、僕らは不動産事業をしているからこそ押さえられる土地があるのが強みです。ロケーションの良いところを厳選して展開していくので、競合優位性を持ったまま戦っていけるかなと考えています」 

物件を通じ環境まるごと楽しむ滞在を提案

「貸別荘のおもしろさはその立地や周辺環境にある」と、話す荻原さん。軽井沢や御代田でいえば、豊かな自然環境はもちろんですが、ご当地スーパー「ツルヤ」などの施設も人気のスポットです。品揃えが良く、地元のおいしい野菜も手に入る。買い物に行くだけでも家族みんながワクワクでき、その後は料理を楽しんだり、デッキでゆったり読書や談笑をしたり。普段の暮らしの延長で、いつもとは違う体験ができるのが貸別荘の魅力です。

キッチンに置かれたツルヤオリジナルのコーヒーは、「商品や店に興味を持つきっかけになればと思って」と言う荻原さんのアイディア

荻原さん「移住の相談に来る方のなかには、例えばご両親は移住を希望しているけれど、お子様の進学や習い事、将来を考えるといますぐに移住はできない・・というご家族もいらっしゃいます。移住を決めていただかないとお手伝いができない不動産業とは違い、貸別荘は、そうしたお客様にも“理想の軽井沢の暮らし”を体験いただけるのが嬉しいですね」

移住希望者や家族連れ以外にも、友だち同士での宿泊や、企業のワーケーションの場として使われる貸別荘。これから自社運営に切り替えていく上では、これまで不動産事業で行なってきたような「過ごし方」や「暮らし方」の提案を交えた運用が課題です。

別荘に滞在するお客様とは、直接会う機会はほとんどない。どのように過ごして欲しいのか、想像してサービス提供をするのは、おもしろさでもあり難しさでもある

荻原さん「まだまだもっと、僕らが得意とする軽井沢の暮らしという視点から、貸別荘の価値を最大限に引き出したいと考えています。僕もそういうアイディアはたくさん思いつくのですが、1人では手が回せないこともあり、同じようにワクワクしてくれる人、これやってみたいあれやってみたいって、提案をどんどん上げてくれる人に入って欲しいなと思っています」

なかには、事前の電話で「滞在中にプロポーズをしたい」という相談を受け、バラの花とキャンドルで寝室の飾り付けを提案したことも。従業員と一緒にアイディアを出し合い、結果プロポーズは大成功。翌年には夫婦となった2人が「思い出の場所」として予約を入れてくれたといいます。

荻原さん「直接お会いする機会は少なくても、そうした交流や寄せられた口コミを見て元気をもらうことは多いですね。お客様の立場に立って想像ができると良いのかなと思っていて。自分も旅行が好きでよく行くとか、軽井沢近隣へのUターンや移住を希望、もしくは経験していて、この地域だからできることを考えたいとか、そうした思いのある人は向いているかもしれません」

業界未経験でも叶う、自身の移住経験を活かした働き方

昨年入社した堀川さんは、佐久市へのUターン移住者です。現在は荻原さんのもとで不動産仲介の仕事を学びながら、物件の確認やお客様へのヒアリング、案内業務、契約に至るまで不動産取引の業務をほぼ全てを担当しています。これまで土木業界や飲食業界などいくつかの業種を経験してきましたが、「これまでの経験を活かして新しい仕事に挑戦したい」と、タウナー不動産への入社を決めました。

幼い頃は海が好きで「地元にはほとんど興味がありませんでした」と話す堀川さん。最近は軽井沢の四季の美しさに心洗われる日々だ

もともと自立心が強く、中学卒業後は通信制高校に通いながら土木業界で働いたという堀川さん。高校卒業後も地元に残って水道の配管工事などをしていましたが、19歳になった頃に「もっといろいろな経験をしてみたい」と、選択肢の多い東京に出ることを決意します。

堀川さん「東京では、飲食店で仕事をしながら、夜は友人が働いているバーを手伝い、遊びも含めてさまざまな暮らしを体験しました。長野県に戻ってきたのは、正直そんな東京の生活が窮屈で疲れてしまったのが理由です。近くにお気に入りの店があるからといって毎日通うわけでもなく、いつの間にか緑を求めて地方へ旅行をするのが癒しになっていって。私は森や自然に触れることで心が安らぐのだと気がつきました」

少しゆっくり時間をかけて今後のことを考えよう。そうして地元に戻り、自身が培ってきたスキルをもう一度見直すなかで、「同じように地方に移住したい人のサポートができるのでは」と思い立ち、住まいを扱う不動産業界へ。荻原さんとは何度か面談をして、人柄や会社の雰囲気、双方が大切にしていることなどを話した上で入社が決まりました。

堀川さん「代表も都内からUターンをしていると知り、同じ境遇を心強く感じたのを覚えています。タウナー不動産のお客様は移住や2拠点生活を希望される方がほとんどだと聞き、自分の生活や肌で感じてきたことをもとに気持ちに寄り添えるかな、という思いも強くなりましたね。不動産業界は初めてでしたが、知らないからこそ成長できる機会だとも感じました」

取材中、緑が濃くなりはじめた庭での一コマ。「首都圏と軽井沢の暮らし、正直どっちがいい?」との問いに「自分としては軽井沢が100%で良いですね」と笑う

堀川さんが仕事で大事にしているのは、聞くことを恥じないこと。「経験値がなければ自分で道を切り開くこともできない」と考え、入社から今まで多くの知識を吸収し続けてきました。

堀川さん「代表は多忙でオフィスにいないことも多いですが、質問には忙しい合間にすぐに電話やチャットで回答いただいたり、アドバイスを返してくださったり。とても親身になって教えてくださるので、自分も安心して自由に働くことができています。以前と同じトラブルや困りごとが起きたときに自力で対処できるようになっていると、自分でも成長を感じて嬉しくなります」

事業責任者として、スペシャリストよりジェネラリストを求めたい

今回募集する人材は、貸別荘事業のマネージャー的役割であり、責任者。業界経験の有無は問いませんが、ある程度の裁量権を持って事業の構築に取り組むため、幅広い知識やスキル、柔軟な対応ができる人物をイメージしています。

まずは現場に入ってベッドメイクや清掃など、実際に手を動かして業務の流れを覚えた上で、段階的に現場のオペレーションを設計していきます。その後はマニュアルを作ったりサービスを考えたり、より良い滞在をするための仕組みづくりを行います。お客様に対しても働く仲間に対しても、細やかな心遣いは欠かせません。

現在の社員数は5名。少数精鋭で、一人一人の裁量権が大きい

荻原さん「まず自分ができるようになって、そこから仲間を増やしてみんなでやっていくようなイメージかなと思います。みんなと言ってもうちは少数精鋭なので、貸別荘事業も先5年ほどは社員2名と清掃スタッフがいれば成り立つ想定をしています。その分一人ひとりの存在感が大きいので、大人数のなかで目立たないように上手くやっていこう、というタイプの方には向かないと思います」

探しているのは、どちらかといえば自由が好きで、管理されることなく事業を推進していける人。これまで組織に属さず個人事業主としてさまざまなプロジェクトに参画していた経験や、将来的に経営者として自身のやりたいことを実現していきたいという意欲のある人にもおすすめしたい、と、荻原さんはいいます。

軽井沢町に数ある不動産会社のなかでは時間も手間もかかるやり方を選んでいるタウナー不動産。その分、感謝や気持ちでつながる関係性も多い

 荻原さん「僕自身も感じていることですが、この仕事には物件のポテンシャルを引き出し、自分にしかできない価値提供を考えていくおもしろさがあると思います。また、1から事業を立ち上げるとなると、資金繰りや事業計画など、大変なことも多いじゃないですか。でも今回はすでに施設があって、教えてくれる人や仲間、お客様もいる状態。安心して挑戦できる環境が整っていると思います」

やりがいも収入も、将来も見据えた挑戦を共に

例えば今、大人数の職場で自分のやりたい思いを叶えられずにモヤモヤしている人。会社の方針に従い、自身の裁量を持てずに悩んでいる人。そしてなんとなく、今の仕事や暮らしに違和感を感じている人。「そんな人とこそ、ぜひ一度お話しできれば嬉しい」と荻原さんはいいます。

荻原さん「都市の方が仕事との出会いはたくさんあって給与も良くて、つまりは充実した生活が送れるはず。かつては僕もそう思っていました。事情があってUターンを決めたときは収入が減るのを覚悟しましたが、実際に飛び込んでみるとそんなことはありませんでした。プレイヤーが少ない分、逆に自分の力が発揮しやすくなって、挑戦できる幅が増える。数字だけを見て選んで欲しいとは思いませんが、家族がいても暮らしていける、生活水準を守れる程度の条件は整えているつもりです」

今後は不動産事業と貸別荘事業、2つの軸で豊かな暮らしの実現をサポートしていくタウナー不動産。荻原さんは、貸別荘の内製化について、会社の代表としての思いも話してくださいました。

荻原さん「一般的に不動産営業の仕事は若いうちが華で、能力や体力のない人はだんだん淘汰されていくといわれているんですね。それぞれが転職や独立をして、会社自体の規模も縮小していって、最後は社長だけ残っているケースも少なくありません。もちろんそれが悪いとは思っていませんが、僕は会社の代表として長く働ける受け皿を用意したいし、一生一緒に働く仲間としての組織をつくる義務があると思っています」

宿泊用に貸別荘を持てば、不動産という資産を持つことができる。契約を結ばなければ売り上げにならない不動産営業の仕事に比べ、自身の持つ価値を提供する貸別荘業は、歳をとっても続けられる息の長い事業になるといいます。

荻原さん「まだ表には出せない話も含めて事業のおもしろさには自信がありますし、教えられる自信もあります。軽井沢の暮らし、田舎の暮らしを自分自身も楽しみながら伝えたい、その気持ちだけ持って飛び込んでみてください」

目指しているのは、自分たちを含めた関わるすべての人の「素晴らしい人生」や「素晴らしい暮らし」にとってプラスの存在になれる組織。熱い思いを持った仲間を待っています。

文 間藤まりの
編集 風音
写真 五味貴志

募集要項

[ 会社名/屋号 ]

株式会社リグプラス

[ 募集職種 ]

①宿泊施設運営責任者 ②営業職

[ 取り組んでほしい業務 ]

①宿泊施設の運営に関する業務全般・顧客対応全般
施設管理、清掃、スタッフ管理、顧客対応、その他施設運営に関する業務
②不動産営業

[ 雇用形態 ]

正社員(試用期間3ヶ月)

[ 報酬 ]

①月額300,000~380,000円(月30時間分の時間外手当含む)
②月額240,000~300,000円(月30時間分の時間外手当含む)

[ 勤務地 ]

長野県北佐久郡軽井沢町長倉2617-14

[ 勤務時間 ]

9:30〜18:30 ※休憩1時間

[ 休日休暇 ]

①変動型(年間休日115日) ※繁忙期、閑散期で調整
②完全週休2日制(年間休日115日)
有給休暇、慶弔休暇、特別休暇

[ 昇給・賞与・待遇・福利厚生 ]

・昇給あり(実績により半年毎)
・決算賞与(昨年実績:平均50万円)
・家族手当(扶養家族 配偶者:10,000円 満18歳までの子供:5,000円/人)
・役職手当
・通勤手当(上限3万円)
・資格手当
・社会保険加入

[ 応募要件・求める人材像 ]

・人に感動を与えることが好きで、仕事を思いっきり楽しめる方
・責任感を持ち業務に取り組むことができる方

[ 選考プロセス ]

書類選考

面接2回

[ 応募締切 ]
2025年8月31日

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