古くから温泉街として栄えてきた山ノ内町。長野県を代表する温泉郷の一つ「湯田中渋温泉郷」を有し、町内には多くの温泉旅館や湯宿が立ち並びます。また、豊富な湯は日常の暮らしでも活用されており、温泉は地域住民にとっても身近な存在です。

「移住してから地域に入っていくって不安があるじゃないですか。そんななかで、まずは地域の温泉に行って挨拶をして、一緒に湯船に浸かりながらいろいろと話を聞いたり、自分の話をしたりするうちに地域に溶け込んでいける。それが山ノ内町ならではの暮らしの始め方なんじゃないかなって」

そう語るのは、地域おこし協力隊として神戸から山ノ内町に移住し、現在は山ノ内町役場未来創造課移住国際交流係で移住・定住に関わる地域プロモーションを担う谷津誠也(やづ・せいや)さんです。

今回の募集は地域おこし協力隊。谷津さんと共に、地域を巻き込んで遊休資産や空き家をDIYする「つくってつかろうプロジェクト(以下、つくつかプロジェクト)」を先導し、温泉を起点に、あたたかな地域を育む「ちいきの番台さん」を募集します。

まずは谷津さんに「つくつかプロジェクト」立ち上げの背景や山ノ内町への思いを伺います。

遊休資産をDIYで再生し、地域に新しい風を循環させる

「つくつかプロジェクト」は、地域内外の人を巻き込みながらDIYで遊休資産を再生し、温泉で心身を癒やしながら地域との交流を育む暮らしを提案するプロジェクトです。最初の現場は、湯田中駅から徒歩10分ほどの湯田中地区にある元教員住宅。谷津さんに現地を案内してもらいました。

物件があるのは、小学校の裏門にあたる位置。地域の方からも「子どもたちが通るのに、廃れていく空き家があるのは寂しいよね」という声が上がっている

谷津さん「山ノ内町では、少子化により学校の統廃合が進み、使われなくなった教員住宅が増えています。この住宅も、かつては新任の先生やALTの先生が住んでいたそうなんですが、ここ5年は誰も入居せず放置されていました」

5世帯が入居できる建物。漏電の検査や、ガス管・水回りの整備など、ハード面の工事はすでにプロの業者に依頼する計画が進んでいる

教育委員会に話を聞きにいったところ、「いずれ取り壊す計画だけれど、取り壊す工事にもお金がかかるため具体的な話は進んでいない」という返答が。そこで谷津さんは、ここを起点に地域の遊休不動産を活用していこうと動き出したのです。

屋内の様子。今回募集をする協力隊員とは、床や壁の塗装や庭の整備などソフト面のDIYに取り組む予定

改修やDIYにあたり、谷津さんはあえて「快適すぎない」状態を目指しています。

谷津さん「ここはまちの玄関口のようなイメージで、『山ノ内に住みたいけれど住居がない』という人向けの賃貸物件にしたいんです。定住先ではなく、あくまでワンクッション。まずはお試し的に暮らすなかで、地域のことを知り、馴染んでいってほしいと考えています」

山ノ内町には、ほかにも活用されていない建物がいくつも眠っています。谷津さんは、この教員住宅が再生し地域の関心を集めることで、ほかの遊休資産が動き出すことを期待しています。

教員住宅の庭から見える小学校の様子。取材中、子どもたちが「ここで何してるの?」と集まってきた

谷津さん「この場所に移住者や若者が暮らすようになってコミュニティが育てば、地域の空気も変わると思うんです。DIYをする過程から、賑やかに人が集まる場になればいいなと。そこからさらに『うちの家、どうにかなんないかな?』という話が出てくるようになれば理想的ですね」

世界的なスノーリゾートと歴史ある温泉街が融合したまちの魅力

長野県の北東部に位置する山ノ内町は、志賀高原・北志賀高原を有し、冬はウインタースポーツを楽しむ観光客で賑わうほか、温泉に入る野生のニホンザルが観察できる「地獄谷野猿公園」も世界的に知られています。

山ノ内町は上信越高原国立公園の中心にあり、町域の93%が山林原野であり、その内、日本有数のスノーリゾートである志賀高原が7割余りを占めている

神戸出身の谷津さんも、そんな山ノ内の自然に惹かれてこのまちへやってきた一人です。

谷津さん「夫婦ともども山が好きで。スキーや釣りに登山と、季節を問わず毎月のように長野に遊びに来ていたんです。あんまり通っていたものだから、いつも帰りの車の中で『いつか長野に住みたいね』と話していました。ある日、スキーの帰りにちょうど山ノ内の北部から中野市方面へ抜けてくる道を通って。善光寺平の雪景色と北信五岳、遠くに見える北アルプスの山並みのスケール感、それらを包み込む夕陽が衝撃的に美しくて。それが山ノ内との出会いでした」

山ノ内町の玄関口、湯田中駅から長野駅までは電車で約1時間。駅前は平日も多くの観光客で賑わう

その景色が忘れられず、「長野移住を検討している」と周りに話すうちに、知人が『山ノ内町が協力隊を募集をしているよ』と教えてくれたそう。

当時谷津さんは、神戸のアウトドアメーカーで営業やプロモーションの仕事をしていました。募集が出ていたプロジェクトは、移住・定住促進のための地域プロモーション。理想の暮らしを叶えながら、自身の経験を応用して働けるのではと応募し、採用が決まりました。

任期を終えた現在も、山ノ内役場の職員として同じ役割を継続しつつ、空き家バンクの事業を進めている谷津さん。自身が移住してきたころから、山ノ内町の空き家の現状に課題を感じていました。

伝統的な旅館が軒を連ねる山ノ内の町並み

谷津さん「山ノ内町は、自然や温泉に近い暮らしを求めて移住希望者が増えているものの、賃貸物件や入居可能な状態の空き家が不足しているんです。一方で、町内には活用されないまま放置されている遊休資産や、さまざまな問題から家主が手放せずにいる空き家がいくつもある。自分自身、『ここで暮らしたい』という意思はあるのに、なかなか家族で住める家が見つからず苦労しました。そこをうまく循環させられたら、もっとまちに新しい人が増えて地域が活性化するはずです」

温泉から始まる、あたたかい地域コミュニティのあり方

DIYで住居を「つくって」、そして温泉に「つかろう」という今回のプロジェクト。「山ノ内ならではの暮らしの魅力は、温泉のある日常が送れることなんです」という谷津さんと、「つかろう」の部分のお話も掘り下げます。

山ノ内の温泉は温度が高め。お風呂上がりに家まで歩いて帰っても身体はぽかぽかのまま

山ノ内町には「組湯(くみゆ)」と呼ばれる共同浴場があり、その地域に住む人はいつでも温泉に入れます。谷津さんが移住当初暮らしていた一軒家にも、お風呂はついていませんでした。

谷津さん「それがすごく快適で。温泉に通ううちに地域の人たちとも仲良くなれましたし、おじいちゃんおばあちゃんたちが子どもたちをすごくかわいがってくれました。今は違う地域に家を建てて暮らしていますが、そこでもやっぱり組湯のある地域を選びましたし、前に暮らしていた地域の人と交流が続いていて、近くを通ると『久しぶり』『大きくなったねぇ』と声をかけてもらえるんです。温泉を起点にしたコミュニケーションがあるのは、このまちの大きな魅力だなと」

「つくつかプロジェクト」第1弾の教員住宅がある湯田中地区にも「大湯」という組湯があります。組長を務めるのは澁澤晴文(しぶさわ・はるぶみ)さん。実は、「つくつかプロジェクト」は澁澤さんの一言がきっかけでした。

普段は違う集落に暮らす渋澤さんと谷津さんは、山がきっかけで出会った釣り仲間

澁澤さん「二人で志賀高原の川で渓流釣りをしていたときに、ふと『うちの地区の教員住宅がずっと空き家になってるんだけど、なんとかならんかね』って話を谷津さんにしてみたんだよね。仕事じゃなくて趣味で繋がった延長線上で出てきた話だったから実現できたんじゃないかな。役場職員と組長として話していたら、緊張しすぎたと思う。一緒に遊ぶ中で、『なんだか珍しいやつが外から来たぞ』と面白がれたから、話が一気に動いた」

谷津さん 「澁澤さんはとても気さくで面倒見のいい方なので、『あの人がいるなら、安心してここに移住者を呼べるな』と思えたのが大きいですね」

教員住宅から徒歩5分ほどに位置する組湯「大湯」。この地区で暮らす11世帯が使用している。今回募集する隊員も、湯田中地区の組湯に自由に入ることができる

谷津さんと澁澤さんは、移住希望者だけでなく、「湯田中でお店を始めたいけれど場所がない」という人が入居し、地域の人たちと交流するなかで物件を探していく流れができることも期待しています。

谷津さん「山ノ内の物件を調査してみると、かつてお店だった一階は空いているけれど、2階・3階に人が住んでいるから貸せないという物件が多いんです。せっかく人通りのある通りに面していても、シャッターが下りたままになってしまっている。かといって、知らない人に貸すのも不安だという気持ちもわかります。一緒にお湯につかって顔が見える間柄であれば、『何かやりたいんだったら、うちの1階をとりあえずちょっと使ってみれば?』ってきっかけになるかもしれない。そうやってちょっとずつときほぐしていければ」

大湯からすぐの足湯を案内してくれた澁澤さん。帰り際にサッと落ちていたゴミを拾い集めていた。地域の財産を守ち継ぐ姿勢がうかがえる

澁澤さん「風呂は生活する上で欠かせないわけじゃん。『地域に溶け込め』とかそういうのじゃなくて、『いい湯なんだ、一緒に入ってみましょうよ、そういう生活をしてみましょうよ』から始められるっていうのが、『つくつかプロジェクト』のいいところなんじゃないかな。まずここでお風呂に入りながら、次どこに進みたいかを考えてくれれば、地域に新陳代謝が起きるよね」

かつて結婚を機に長野市から山ノ内町に移り住んできた澁澤さんは、地域に入り込む秘訣は「とにかく挨拶だね!」と教えてくれました。

取材終わり、帰り道に通りがかった子どもたちと「おかえりなさい」「ただいまー」と挨拶を交わしていた澁澤さん。長年空き家となっている教員住宅前が「生きている道」になることを期待している

澁澤さん「いくら地元の人と結婚したって、僕も溶け込むには時間がかかったよ。どうやって打ち解けていったかと言ったら、まず自分から挨拶すること。道を歩いている小学生にも、『おはよう』じゃなくて『おはようございます』ってね。それに尽きます。山ノ内は、お風呂で会って挨拶をすればお湯につかりながら話ができるだろうし、最初から熱量を上げて喋れなくても、『こんにちは、いいお湯ですね』と挨拶から入っていければそれでいい。きっと向こうも『どこから来たの?』って興味を持って聞いてくれるからさ。あとは自然と伝達されていきますよ」

山ノ内町は磨ききれていない原石。思いを持って取り組めば新しいことも受け入れられる

最後に訪れたのは、湯田中駅前温泉「楓の湯」の足湯。現役の地域おこし協力隊として駅前の活性化に取り組む新井彩香(あらい・あやか)さんに、協力隊としての地域との関わり方や巻き込み方について伺いました。

湯田中駅構内にあるテイクアウトカフェ「エキナカ山ノ内」。カフェの運営を軸に、まちの玄関口である湯田中駅に人の賑わいが生まれることを目指す

山ノ内町で生まれ育った新井さんは、高校進学のために一度地元を離れ、その後も県内安曇野地域の池田町で働いていました。しかし山ノ内町への愛着が消えることはなく、2024年に「山ノ内まちづくり観光局」が立ち上がると知り、協力隊に応募しました。

新井さん「山ノ内町は、これだけ観光地として栄えているのに、これまでは役場の観光商工課、観光連盟などそれぞれの団体がそれぞれ活動している状態でした。山ノ内の観光を1つにまとめた観光局が立ち上がる話を聞き、『働きたい!』と思って。中学卒業ぶりに山ノ内に帰ってきたんです」

現在は、「山ノ内まちづくり観光局」派遣の協力隊員として、自身が中心となって立ち上げたテイクアウトカフェ「エキナカ山ノ内」の運営や、駅前の活性化に取り組んでいる新井さん。着任から1年、一度離れた山ノ内町に戻って改めて感じる町の変化や印象についてお聞きすると、「いい意味で、自分が10代の頃と変化していない」という言葉が。

新井さんが籍を置く観光局が運営する、駅前の温泉「楓の湯」では、気軽に日帰り入浴が楽しめる。ここでも足湯に浸かりながらお話を伺った

新井さん「山ノ内町はインバウンドの観光客が増えているんですが、『変わっちゃったな』と感じる部分がほとんどなくて。まちの人が自分たちの暮らしを気に入っているからこそ、まだまだ原石のままでいる感じがするんです。しっかりと気持ちを持って仕事に取り組んでいけば、より良く変化させていけるチャンスはたくさんある、という手応えを感じています」

その反面、歴史ある地域だからこそ、新しい取り組みに対する反発はないのでしょうか。

新井さん「カントリーサイドに行けば行くほど、その土地の風土や文化習慣が深く根付いている部分はあります。だけど、日頃から地域の皆さんと関係を築き、『こういう意図で新しいことをしたい』としっかりお伝えできれば協力してくださる方は必ずいます。何かを始める上で、『冷たいな、やりにくいな』と感じたことは今のところ一度もありません」

新しい取り組みがどれだけ実現できるかは、古き良き部分と新しい部分、それぞれの立場にいる人が、いかにお互いを知り受け入れ合えるかどうか次第。新井さんは、「私自身も、もっと自分の世界を開いてアップデートしていく必要があります」といいます。

新井さんの話に、「本当に山ノ内町は原石だらけなんです。むしろ磨く人が足りなくて困っちゃうくらい」とうなづく谷津さん

たとえば新井さんは、着任1年目で「湯田中駅ステーションクリーン」という企画を始めました。湯田中駅は正規の駅員がいない駅で、観光局の職員が切符を切るなどの対応をしています。しかし、施設自体の掃除には誰も手をつけられていないという課題がありました。

新井さん「せっかく世界中から山ノ内町を訪れてくる方々の玄関口だから、きれいな状態でお出迎えしたいなという思いがあって。一般募集で一緒にお掃除してくださる方を集めて、お掃除後はエキナカ山ノ内のドリンクをプレゼントするイベントを企画してみたんです。誰も来なくても一人で始めようと思っていましたが、いざ蓋を開けてみたら30人以上の方が集まってくれて」

フライヤーのデザインは、山ノ内町の協力隊を卒業した元隊員に依頼
掃除用具を持ち寄り、みんなで協力して大掃除を行った

集まったのは駅周辺の地元の方や、湯田中駅を運行する鉄道会社の方、山ノ内の中学生など。世代や所属を超えた人たちが集まり、イベントは大成功となりました。「みんな山ノ内町への思いがあるんだと実感できて、本当にやってみてよかった」と振り返る新井さんには、今後さらに考えがあります。

山ノ内で生まれ育ち、一度外に出た自分だからこそ、「外から来た人の持つ価値観と古くからある価値観の中間に立ち、その間をつなぐ横木のような役割を担いたい」と新井さん

新井さん「海外では、地域活動や環境美化の体験が組み込まれたツアーがトレンドになりつつあると聞きます。今回はボランティアという形で地域の皆さんにご参加いただきましたが、ゆくゆくはお金をいただいて地域外の参加者も増やしていきたい。たとえば、通常は体験できない温泉の清掃を地域の人と一緒に行って、ご褒美として一番風呂に入るような企画ができれば、特別な体験価値になると思うんです」

まだ少し肌寒さの残る4月の山ノ内。温泉に浸かれば身体はぽかぽかと温まり、時間を忘れてたっぷりと話をすることができた

足湯に浸かりながら、熱く事業アイディアを語ってくれた新井さん。協力隊を取りまとめている谷津さんは、「普段ここまでじっくり話す機会はなかなかないから、こんなに妄想を膨らませていたなんて知らなかった。どんどん自由に、楽しくやっていってほしいですね」とわくわくした表情を見せました。

「好きなこと」を自分から発信していけば、自然と地域に馴染んでいける

改めて今回の求人は、さまざまな温泉の魅力を活かして町内の遊休資産活用に取り組む地域おこし協力隊。任期は3年間で、最初の1年はじっくりと時間をかけて山ノ内全体のことを理解し、地域の人たちと顔見知りになっていくことから始め、メインのミッションとなる「つくつかプロジェクト」の企画・運営のほか、空き家の掘り起こしや空き家バンクの戦略検討、SNS等での活動の発信に取り組んでいきます。

谷津さん「隊員の方には、僕と同じく山ノ内町役場未来創造課移住国際交流係に所属してもらいます。黙々と現場でDIYの作業してもらうのではなく、まずは役場で移住・定住に関わる仕事を覚えながら、定期的にDIYのイベントを企画してプロジェクトを進めていくイメージです。」

観光だけでなく、日々の暮らしや子育て環境の魅力を発信することも大事な仕事

また1年目は、長野県辰野町でまちづくりや空き家再生事業に取り組んでいる「○と編集社」の研修や、ストックスクールなどの遊休資産活用研修に参加もできます。自分だけで頑張るのではなく、地域内外の人と連携して学びを深めながら、町内でできることを探り、2年目以降は、元教員住宅に入居する移住者のサポート、さらなる遊休資産活用の企画・運営や、空き家の掘り起こし、活動のアーカイブ化を進めます。

応募にあたり、DIYの経験や大工の資格等は不問です。不器用でも、周りをうまく頼って巻き込みながらプロジェクトを進められる人が求められます。

谷津さん「隊員の方には、移住希望者と地域の人たちとの繋ぎ役になってもらいたいんです。大人から子どもまでいろんな人を集めて、みんなのご飯を用意したり、現場がいい空気になるよう声をかけたり出来る、人懐っこい方がいいですね。気持ちよく汗を流して、最後はみんなで温泉につかる。学校が近いので、夏休みを利用して子どもが参加できるワークショップを考えてもいいかもしれません。僕たちが想定している以上に、『こんなことをやってみよう!』と、どんどん自分のやりたいことを形にしていってもらえたら」

自身の協力隊としての活動を「いろいろやらせてもらえて楽しかったです、だから任期が終わってもここを離れる理由がなかった」と振り返る谷津さん

元協力隊である谷津さんは、当時の活動から現在の役場での仕事を振り返り、「自ら『好き』を発信できれば、自然と仕事や出会いにつながる」と教えてくれました。

谷津さん 「自分のやりたいことを周りに伝えるコミュニケーションが取れる人はすごくいいんじゃないかなと思ってます。僕自身、着任後に『山が好き』とアウトプットしていたら、役場の職員の方が『こういうのがあるから行ってみたら?』と山の遭難対策協議会の作業に参加できるように話を通してくれて。そこで澁澤さんと出会い、釣りが好きだと話したら釣り仲間になって、一緒に釣りをするなかで今回の教員住宅の話につながりましたから」

ほかにも、「山ノ内に景色に惹かれて移住してきた」と話をしているうちに、役場の職員や地域の方が「自分の好きな景色はここ」と教えてくれて、谷津さんが企画するオーダーメイドツアーの案内スポットに活かすことができたそう。

谷津さん「自分の好きなこと、興味があることを自分から発信することによって人のつながりも広がりましたし、結果仕事にも生きてきました。協力隊員はそれぞれ取り組むべき自分の業務がありますが、それ以外のことにもどんどん首を突っ込んでいけば、そこに新しい出会いや、仕事のタネがあるかもしれない。DIYイベントを進めつつ、自分の好奇心に従って日々の仕事に取り組んでもらいたいです」

「素敵な景色に出会えるまちなんです」と谷津さん。家族と過ごす何気ない休日も、ここでは特別な一日になる

普段は口に出せないことでも、お風呂に浸かれば身体も気持ちも温まり、ふつふつと内側から溢れ出てくるのかもしれません。山ノ内町の温泉を起点としたコミュニケーションのあり方には、そんな不思議な作用を感じました。

まずはあなたも、「あぁ、いい湯だな」から山ノ内町と関わり始めてみませんか。そうすれば、自分がしたいこと、そしてこのまちだから出来ることがどんどん湧き出てくるかもしれません。

文 風音
編集 間藤まりの
撮影 関亮太

募集要項

[ 会社名/屋号 ]

山ノ内町未来創造課

[ 募集職種 ]

山ノ内町空き家DIYプロジェクト「つくってつかろうプロジェクト」湯田中地域をあたためる「ちいきの番台さん」募集!

[ 取り組んでほしい業務 ]

・町の遊休資産を活用したDIY×温泉イベントの企画・運営
・入居する移住者のサポート
・空き家の掘り起こし・利活用の推進
・現場管理及びDIY作業

[ 雇用形態 ]

地域おこし協力隊(会計年度任用職員)

[ 給与 ]

月額 266,600円(昇給なし)
賞与、退職手当はありません。
通勤手当あり(公用車を使用する場合はなし)

[ 勤務地 ]

山ノ内町役場及び地域の現場

[ 勤務時間 ]

平日8時30分から17時00分まで(業務により時間外勤務あり、振替対応)

[ 休日休暇 ]

年次有給休暇、特別休暇あり

[ 昇給・賞与・待遇・福利厚生 ]

・町が用意するアパート等に入居(家賃5万円程度は町が負担)
・転居費用・光熱水費は自己負担
・社会保険:厚生年金、健康保険、雇用保険に加入
・車両:貸与あり(私用利用時のガソリン代は自己負担)
・協力隊活動に支障のない範囲で副業可(要許可申請)

[ 応募要件・求める人材像 ]

<応募資格>
①活動開始時点で20歳以上40代位までの方。(性別・学歴・未婚・既婚は問いません。ご夫婦・家族での移住も歓迎。)
②3大都市圏と政令指定都市または地方都市(条件不利地域を除く)から住民票を山ノ内町へ異動し、協力隊の任期終了後も山ノ内町に定住する予定の方。(※ご応募の時点で既に住民票を異動済みの方は、ご応募不可となります。詳しくは、お問い合わせください。)
③普通自動車運転免許を有しており、日常の運転に支障がない方
④心身ともに健康で明るく、誠実に活動に取り組む意欲と情熱を持つ方
⑤パソコン(文書作成・表計算・プレゼンテーションソフトウェアなど)の基本操作およびインターネット、メール、SNS等活用できる方
⑥活動期間終了後、山ノ内町で就業又は起業して定住する意欲のある方
⑦土日および祝日の行事や夜間の会議など、必要に応じて参加できる方
⑧活動に際して、町の条例及び規則等を遵守し、職務命令等に従うことができる方。
⑨地方公務員法(昭和25年法律第261号)第16条に規定する欠格条項に該当しない方

<求める人物像>
・DIY未経験者も余裕で可
・人懐っこい方(地域の人や参加者と積極的に交流し、関係を築ける人)
・柔軟な発想と行動力がある方(ゼロから企画を立ち上げ、試行錯誤しながら形にできる人)
・チームで動ける方(地域住民や専門家と協力しながらプロジェクトを進められる人)
・問題解決が好きな方(DIYやイベント運営で発生する課題を前向きに解決できる人

[ 選考プロセス ]

書類選考
エントリーされた方全員にメールにて通知

第1次選考(担当者面接)
書類選考通過者を対象にオンライン(ZOOM)面接

第2次選考(おためし協力隊)
2泊3日程度の現地体験+町理事者面接
原則こちらに参加できる方が応募対象となります。
※現在のところ令和7年7月5日(土)ー7日(月)を予定しています。

[ 応募締め切り ]

2025年6月8日(日)

[ その他 ]
よろしければ、こちらもご覧ください。

山ノ内町公式HP
山ノ内町移住定住情報サイト

個別相談も可能です

応募前に質問や確認したいことがある方は個別相談を受け付けます。
◎企業担当者と応募前に事前に説明や相談を行うことができます。

どんな会社なのか、実際の働き方はどうなるかなど、気になる点をざっくばらんにお話ししましょう。