※本求人の応募期間は2023年11月5日(日)までとなります。それまでに応募をご検討ください。
「生まれ育った地域の課題を解決したい」
「地域で自分のスキルを活かしたい」
「地域」に対して、熱い思いを持った人が集まる実践型コミュニティ「塩尻CxO Lab(シーエックスオー・ラボ/(以下、CxOラボ)」。2020年から行われているこの取り組みは、塩尻市をフィールドに何かを企てる「地域プレイヤー」と、「関係人口」と呼ばれる地域外の人が協働し、市内の課題解決や魅力の再発見を行うための場です。運営しているのは、塩尻市役所と「NPO法⼈MEGURU」。これまでもさまざまな人が集い、学び合い、塩尻名産のワインを通じて人をつなぐプロジェクトや、空き家を利活用して場をつくるプロジェクトなど、いくつかの事業が生まれてきました。
以前にも当メディアで取材を行い、「CxOラボ」に入るメンバーを募集しましたが、4期目の今回は、地域プレイヤーに伴走しながら、アウトドアや教育などをキーワードに地域の居場所づくりを行う「副業人材」の募集です。
お集まりいただいたのは、「CxOラボ」事務局を務める上田直子(うえだなおこ)さんと保延祐希(ほのべゆうき)さん。そして今年度の地域プレイヤーとして副業人材の募集を行う「GLAMPINGBASE enCamp(グランピングベース・エンキャンプ)」の新井和佳(あらいわか)さんです。
地域の課題解決を通じて、自分と街の接点を見つけるコミュニティ「CxOラボ」
「CxOラボ」が開かれた目的は、「塩尻市の魅力を高めたい」「課題を解決したい」と考える人が集まり、自分ごととして地域に関わるためのマインドやスキルを醸成することです。
「ステップ1」は、地域プレーヤーが持ち寄ったテーマの課題を深堀りしながら学ぶ、3ヶ月間のプログラム。その準備期間を経て、地域内外の人が集まるリアルな拠点やオンラインコミュニティに参加し、地域に関わるきっかけを見つけるのが「ステップ2」。最終的には「自分で何かをやってみる」という実践フェーズの「ステップ3」につながる想定がされています。
実際に、この3年間で副業人材として塩尻を訪れた方の中には、塩尻市内にある企業に参画して二拠点生活を始めたり、地域プレイヤーと一緒に事業をローンチするところまで進み、すっかり当事者として塩尻にいるようになったりと、「ステップ3」を実現するケースが着々と増えています。
今年のメンバーは全部で19人。うち5人は過去にメンバーとして参加した経験があり、その後も継続して塩尻市に関わっているOB・OGメンバーで、チーム内のファシリテーションなど、役割を持って参加しています。年代は20代から40代まで、男女比もバランスよく、職種は落語家や教員、現役大学生など、バラエティに富んだメンバーが集まりました。
上田さん「新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行した今年は、1泊2日で塩尻市に滞在するフィールドワークから、プログラムを始めることができました。ラボメンバーは、地域プレイヤーと一緒に現場を巡り、肌感覚でテーマやそのバックグラウンドを体験。その後、各チームに分かれてメインの『仕様書』の作成に取り組みました。」
「CxOラボ」でつくる「仕様書」とは、地域プレイヤーが直面している課題を解決するための方向性を示すコンパスのようなもの。「今、直面している課題」「なぜその課題が生まれているのか」「目指す成果」などを整理して書き込み、課題の現状をより具体的に理解するためのツールです。
参加した地域プレイヤーは3人で、構成されるチームも3組。これまでの仕様書は、副業人材の募集に向けてつくることが必須でしたが、今年は「誰に対して何を伝える仕様書なのか」という定義づけからチームで話し合いが行われました。
上田さん「テーマによっては、分野や人選を絞った募集が望ましい場合もあり、副業人材として公募しなくてもいいようにプログラムに変更を加えました。今年のテーマは、親世代からの農地継承の課題解決と、新たなツールを使って関係人口の創出を行うためのコンセプトづくり、そしてアウトドアや教育などをキーワードにした居場所づくりの3つです。」
このうち、農地継承については、農地を「体験農園」とし、農業を始めたい人と現役の農家をつなぐ場として活用する案がまとまりました。仕様書は、親から継承する農地について迷っている、困っている人たちや、そうした研究に携わる大学の先生などにアプローチするための資料としてまとめられ、各方面へアプローチが始まっているといいます。
また、新たなツールを使った関係人口創出のコンセプトづくりでは、「CxOラボ」内に展開し、仲間を募るための資料として仕様書をまとめたそう。こちらも既に動き出し、テーマオーナーの考えに賛同した「CxOラボ」メンバーと共に、実験的にコミュニティの立ち上げがスタートしています。
上田さん「三者三様の着地をするなかで、副業人材を公募することになったのが、『GLAMPINGBASE enCamp(グランピングベースエンキャンプ、以下enCamp)』の新井さんが掲げたアウトドアや教育などをキーワードに行う居場所づくりのプロジェクトです。」
「自分も幸せになっていい」と思えた「enCamp」で、新たな挑戦をはじめたい
「enCamp」は、塩尻市内にダム湖として整備された「みどり湖」の近くにあるグランピング施設。緑豊かな環境のなかで、火を囲んだり、食事を楽しんだり、さまざまな体験をすることができる場所です。
これまでの「enCamp」では、「価値ある出会いの場をつくる」をコンセプトに、通常のグランピング場運営に加え、修学旅行や社員旅行、会社のイベント等の受け入れ、ウエディングパーティーの開催や、地元の保育園、小学生対象としたイベントを開催してきました。
新井さんはこの場所の運営統括を行いながら、隣接する合宿旅館「陽だまりの家」の運営も含めて現場に入り、リーダーとしてさまざまな業務を行なっています。以前は、都心部の大手アパレルメーカーで15年ほど働いていたという新井さん。「もっと違う世界に身を置いてみたい」と考えるようになり、地元の安曇野市に戻る決断をしました。
新井さん「アパレルの仕事はとても楽しくて、やりがいを持って働いていましたが、自然やアウトドア、教育、子どもといったキーワードが、ずっと自分の中にあったのだと思います。小さい頃からキャンプに出かけるなど自然に触れる機会は多く、将来の夢が小学校の先生だったこともあり、もう一度理想の自分に近づきたくてUターンを決めました。」
戻ってから1年半くらいはアルバイトなどをしながら過ごしていましたが、プライベートで起こった変化が、次の一歩を踏み出すきっかけになりました。
新井さん「大失恋をしたことがきっかけで一旦安曇野を離れようと思い、移住サイトを見ていたときに偶然見つけたのが塩尻市にあるシェアハウスでした。実家にも通える距離だったのがちょうどよく、漠然と描いていた“やりたいこと”に向けて勉強にもなるだろうと思って、塩尻市への移住を決めました。」
考えていた通り、シェアハウスではさまざまな出会いがあり、刺激的な日々を過ごしたという新井さん。そこからつながったご縁の一つが、「enCamp」を運営する株式会社スタイルプラスの代表取締役、村上博志さんとの出会いでした。
新井さん「さまざまな出会いが人生を変えるからこそ“価値ある出会い”をつくりたい、と話す村上さんに深く共感し、入社までトントン拍子で話が進みました。村上さんのいう“挑戦する大切さ”は今も学んでいる最中ですし、『自分も幸せになっていいんだ』と改めて思えたもの、塩尻に来たからだと思います。」
「言葉にするのが難しい」と言いながらも、「自分が幸せでなければ、誰も幸せにはできない」と話す新井さん。「enCamp」で働き始める前も、誰かを喜ばせたり、幸せにしたりしたい気持ちは持っていましたが、同時に、誰かの幸せのために自分自身を犠牲にしていた自分に気がついたといいます。
新井さん「悲しい出来事につまずいても、安心できる場所と共感し合える誰か、そして自分を大切にできる自分がいれば、もう一度一歩踏み出すことができるのだと、さまざまな人との出会いを通して身をもって学んできたように思います。だからこそ、今はまず、自分が誰よりも楽しみ、誰よりも笑い、誰よりも行動することで、エールを伝えていきたいと考えています。」
現在の「enCamp」が掲げる「価値ある出会いの場をつくる」に加え、その場が、訪れるみんなにとって救いになり、癒しになり、一層豊かな人生に踏み出すきっかけになればいい。
新井さん「たとえば近い将来、地元の人たちが日常的に『enCamp』に集って、働いたり畑をしたり、のんびり過ごしたりしていて、そこに子どもたちが帰ってきたら、さらに楽しい何かが始まっていく。県外に出た人も、初めて塩尻を訪れる人も、不意に来ても許される。そんな場所になっていたらいいなと思っています。」
自分自身の辛い時期を救ってくれた「enCamp」で、新井さんは新たな夢を描くようになりました。そんなとき、声をかけてもらったのが、今回の「CxOラボ」への参加でした。
新井さん「さまざまな視点を取り入れながら、活動を進められそうなところに魅力を感じました。仕様書作成の時期は、グランピングや合宿の繁忙期に被っていて不安もありましたが、それでも参加を決めたのは、挑戦したい思いがあったからです。」
仕事でもプライベートでも、新井さんが大切にしているチャレンジの心。「失敗してもいいからやってみる」という考えは、代表の村上さんとも常に話していることで、挑戦の結果うまく行かなかったり、失敗したりしても、その経験は次につながる財産になると考えています。
新井さん「どうせ後悔するなら挑戦してからにしよう、そう覚悟を決めました。仕様書の作成期間中はやっぱり想像以上に大変でしたし、何度も心が折れそうになりましたが、ここまで考えをまとめられたのはプロジェクトチームとして切磋琢磨してくれた仲間のおかげです。今は心から、飛び込んでよかったと思っています。」
実家のような温かい居場所実現に向け、求めるのは「わか組の番頭さん」
仕様書の最終発表会で新井さんが話したテーマは、「『enCamp』の新しい未来地図 〜価値ある出会いを創る「みんなの実家」へ〜」。これは、チームメンバーと対話を重ね、思いを具体化して生まれてきた言葉です。
新井さん「仕様書づくりに携わってくれたメンバー、特に女性2人とは、最初のフィールドワークで意気投合しました。1人はキャンプサイトを運営していてアウトドアが好きな方、もう1人は普段から教育の場にいる方だったので、共感するポイントが多かったと思います。他のメンバーも個性的で、きちんと意見をいってくださる方が多く、とても貴重な出会いとなりました。」
これまで新井さんが思いを伝えてきたのは、会社に関わる人や一緒に働くスタッフたち。一方で今回の「CxOラボ」では、初めて「enCamp」を知る第三者がほとんどです。ときには厳しい意見もあって悔しさを感じたといいますが、意見を出し合い、一緒に知恵を絞ってきたチームメンバーには感謝が尽きません。
新井さん「初めは『利益をどう生み出すか』ばかりを考えがちでしたが、メンバーの意見を受けて、もっと自分のやりたいことから考えてもいいのだと、自信が持てるようになった気がします。仕様書の発表から1ヶ月ほど経ちますが、今はこうした活動の横展開など、さらに自由に未来を想像できるようになりました。」
そうしてできた仕様書と、さらにパワーアップしている新井さんの夢。今回は、これらをもとに10月から12月までの3ヶ月間、新井さんに伴走する「副業人材」を募集します。求める人物像を一言にまとめるなら「チームわか組の番頭さん」。熱を持って走り続ける新井さんの考えを理解して具体的なコンテンツに落とし込み、支え、伴走する人材を探しています。
新井さん「熱意はもちろんですが、その根本に、愛のある人がいいなと思います。目の前のことに一生懸命取り組むとか、ご縁を大切にするとか、丁寧に関係を育める姿勢も大事にしたいひとつです。“伴走”という言葉を使っていますが、互いに人間として共感し合えるような、そんな関係を築くのが理想です。」
応募に対して、特定のスキルや得意分野などの条件はありませんが、これからの3ヶ月は、完成しているビジョンや実現したい未来に向けて、新井さんとさらに対話を重ね、現実と夢の間を埋めていく作業が中心になります。誰をターゲットにしてコンテンツをつくり、どう運営していくのか。実際スタートが切れる状態まで組み立てるには、着実に推進していく力が必要です。
また、金銭的な報酬はありませんが、実際に現地を訪れてグランピング施設に宿泊してみたり、近隣に住んでいる人であれば他のスタッフや施設の業務に触れてみたり、地域に関わる機会は積極的に提供したいという新井さん。リモートでの参加も可能ですが、さまざまな場面で出会いを楽しむマインドは、持っていた方が良いかもしれません。
新井さん「これからの時期はグランピングや合宿が少し落ち着いてくるので、私自身も、考えたり試したりする活動に時間を割けるようになると思います。キーワードをあげるとすれば、やはり『教育』や『アウトドア』などは親和性があると思いますし、話もしやすいように思います。」
未来は見え始めたけれど、今の事業と並行して何かを始めるには、マンパワーもノウハウも足りない現状。会社としては、オープン以来ずっと検討を続けている「グランピング場としての認知拡大」や「持続的な収益性の確保」、「地域への貢献」なども大きな課題として挙げられています。
新井さん「明確な答えが見えない課題ばかりなので、あれこれと模索をしながら進むことになると思います。でも、私自身がそうだったように、『enCamp』や塩尻市は、来たら絶対に何か得るものがある場所です。一緒に楽しく、地域や子どもたちの未来を描いていくことができたら嬉しいです。」
「CxOラボ」を入り口に、地域とつながり活躍できる機会が拡大中
生まれる関係性もコンテンツも、塩尻に暮らす人たちと密接に関わることが多くありそうな“地域の居場所づくり”の募集。参加するにはハードルが高く見えるかもしれませんが、方向性や行動がブレないために「仕様書」があり、困ったことがあれば「CxOラボ」の事務局やメンバーに相談できる環境が整っているのが、「CxOラボ」今回の大きな特徴です。
上田さん「事務局としては、地域プレイヤーと副業人材、どちらも安心して目的達成に向かえるように体制を整えてきました。さらに今年は、副業の期間が過ぎたあとも継続して地域に関わることができるよう、塩尻市内外の点と点をつなぐための活動が活発化しています。」
事務局メンバーが描く塩尻市の未来は、今の居住地や立場を問わず「塩尻で何かしたい」と思う人がいたとき、自らに周りを巻き込んで「コト」に向かえる環境があり、偶発的な交流が次々生まれていく景色です。
過去3年間の「CxOラボ」の運営などを通じて、塩尻市に関心を持つ人が増えている一方、地域との関わりしろの少なさがギャップとして見えてきた今、それらを埋めるための手段として出てきたのが、“DAO(Decentralized Autonomous Organization/日本語で自律分散型組織)”という概念。この概念を取り入れ、新たなコミュニティを立ち上げようと動いているのが、「CxOラボ」の事務局メンバーであり、今期テーマオーナーの1人としてプロジェクトを立ち上げた保延祐希(ほのべゆうき)さんです。
保延さん「つくるのは、IT技術を活用した自律分散型のコミュニティ(DAO)です。例えば、誰かが地域に貢献する行いをしたとき、行動自体は、そのときその場にいる人にしか見えませんが、DAOの中では、その貢献がポイントのような形として可視化されます。」
イメージはオンラインコミュニティに近いかもしれませんが、今回はこれを、11月にオープン予定の滞在型交流拠点『en.to(エント)』を拠点にし、『CxOラボ』のメンバーに参画してもらって、実験的な立ち上げを想定しています。
保延さん「これまで見えにくかった誰かの思いや行動、困りごとを情報として集積し、コミュニティにいる人たちがシームレスにアクセスできるようにしておく。そうすることで、周囲が声をかけやすくなったり、手を貸しやすくなったり、さらにそうした行動が報酬として自分に返ってくることで、自発的に貢献する人が増え、自律的な組織形成が促進されていくのではないかというねらいがあります。」
DAO組織自体にはもっとさまざまな機能があるといいますが、保延さんは、こうした実験的な動きを重ねることで、「塩尻市で自分らしく活躍する人が増え、持続的に成長していく地域ができていくのではないか」と、期待を語ります。
臆することなく「地域」への興味関心を深め、追求していける仲間が集う塩尻市。
今回の求人は、「enCamp」で“地域の居場所づくり”を行う新井さんのプロジェクトに参画する副業人材の募集ですが、その一歩をきっかけに、地域でさらにワクワクする出会いが広がっていくことを願っています。
文 間藤まりの
募集要項
[ 会社名/屋号 ]
塩尻市関係人口創出事業(塩尻CxO Lab)
本業務の募集団体:GALAMPINGBASE enCamp enCampの新しい未来地図〜価値ある出会いを創る「みんなの実家」へ〜
[ 募集職種 ]
「価値ある出会いの場」創出パートナー
[ 取り組んでほしい業務 ]
詳細な仕事内容については、プロジェクトの仕様書を下記よりご参照ください。
■enCampの新しい未来地図〜価値ある出会いを創る「みんなの実家」へ〜。
[ 雇用形態 ]
プロボノ(3か月間~)
※詳細は面談時に相談の上決定いたします。
[ 給与 ]
報酬無し
※但し、現物支給やグランピング無料宿泊券等の報酬あり
[ 勤務地 ]
基本的にはリモートワーク中心の勤務を想定
※業務により直接現地へ足へ運んでいただく場合もございます。詳細は面談時に相談のうえ決定します。
[ 休日休暇 ]
プロボノのため規定せず
[ 募集期間 ]
2023/10/18~11/05
詳細は仕様書をご参照ください。
[ 選考プロセス ]
書類選考
↓
面談1~2回
↓
内定
↓
プロボノ開始
・プロボノ時期については2023年11月以降を想定していますが、詳細はプロジェクトオーナーとご応募者間で決定頂きます。
・取得した個人情報は、採用選考にのみ使用します。
・選考プロセスは変更になる可能性があります。
・不採用理由についての問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
[ その他 ]
各募集の詳細内容について、下記の「仕様書」を必須でご確認ください。
プロジェクトの背景や今回の人材に解決いただきたいことが詳細に記載されています。
■enCampの新しい未来地図〜価値ある出会いを創る「みんなの実家」へ〜。
※この求人募集は終了いたしました。ご応募をありがとうございました。
この企業・組織での募集が再度行われたときに、お知らせすることができます。
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