塩尻市を走る国道19号線沿い、ビルの3階。晴天時は北アルプスを眺めることができる場所にオフィスを構えるのは「株式会社ユリーカ(以下、ユリーカ)」。1981年に創業し、今年で43期目を迎える「ユリーカ」は、IT業界の中ではかなりの老舗だといいます。長年の実績によって構築されたお客さんとの信頼関係を大切しながらも、創業時のハングリー精神を忘れずに挑戦をしつづけたいという「ユリーカ」。近年は新規事業立ち上げを専門に行う経営企画室を立ち上げ、次の時代に求められるサービスやプロダクトをいくつも生み出そうとしています。

今回の求人は、その経営企画室の一員となって一緒に事業を推進していくエンジニアの方が主な対象。実際の職場の雰囲気、働き方の詳細、お仕事内容について詳しく伺うため、「ユリーカ」の代表取締役の青山雅司(あおやままさし)さんと、経営企画室室長の武居功祐(たけいこうすけ)さんにお話を聞きました。

創業43年のIT企業に脈々と息づく起業家精神

「ユリーカ」の創業の歴史は、市内の大手精密機器メーカーの創業の歴史と符合します。主な事業内容は企業の会計や販売管理、ライセンス管理、内部監査など、日常業務を効率化するシステムの開発のほか、医療機関向けに治験検索LINEチャットボットなどの新商品を開発など。創業以来、県内外のパートナーとの強い連携を築きながら、さまざまな開発案件を手がけてきたITのプロフェッショナル集団です。

気になるのは、“ユリーカ”という社名。「何かを発見、達成した時の喜び」というギリシャ語に由来する “ユリーカ”は、創業者であり、青山さんの父、青山勝彦(あおやまかつひこさんが名付け親。今でこそ一般的にも認知されつつありますが、40年以上前の創業当時のことを考えると、かなりユニークなネーミングのように感じます。

オフィス入口に立つ青山さん、武居さんのおふたり(写真右から青山さん、武居さん)

青山さん「今となっては当たり前のように使われている交通系ICカード電子基板の初期の試作も、先代が手がけていたり。『ユリーカ』は創業当初から、まだ見ぬ、誰もやっていない新しいことに挑戦しつづけてきました。そうしたなかでの『ユリーカ』という社名は、我々のコンセプトの根幹にもつながる名前だと思います。」

顧客や世の中のニーズに対して、最適なITソリューションを提供するため、さまざまな新規事業やプロジェクトを立ち上げてきた「ユリーカ」。しかし、しばしば新技術の開発には、莫大なコストがかかるなど、リスクが伴う可能性があります。「ユリーカ」も一時期は経営が傾いてしまったことも。2010年に経営を引き継いだ青山さんは、社運をかけた一大プロジェクトに挑み、なんとか経営を回復させることに成功しました。

現在は安定的に新入社員を迎え入れている「ユリーカ」ですが、会社としては、第二創業期。既存事業で培ってきた経営基盤や人的リソースを最大限に活用できる体制を整え、新たなチャレンジに向けた会社づくりを始めています。

現在約60名ほどいるという「ユリーカ」の社員のうち、8割以上はエンジニア人材だという

青山さん「創業以来培ってきたお客さんとの信頼関係を大切にしながらも、次の時代に向けた、新しい価値創造をする事業づくりも進めたいと考えています。しかし、既存の業務が忙しいと、どんなに優れた事業アイデアが新たに浮かんだとしても、なかなか着手できないこともあります。そこで、新規事業立ち上げに特化した“部屋”をつくることにしました。」

2021年12月に新設された経営企画室。現在のチーム構成は青山さん、武居さん、武居さんの部下である菱田茜(ひしだあかね)さんの3人。経営企画室の室長を務める武居さんに、お話を伺いました。

「経験」よりも「やる気」重視で若手が輝く

武居さん「経営企画室で主に担当しているのは、新規事業立ち上げと新規事業や全社のウェブマーケティングです。青山に関しては、会社の経営戦略を鑑みた経営企画室の今後の方針を立てて、道をつくる役割。私は新規事業を企画して、立ち上げていく役割。もうひとりの菱田は、会社全体や新規事業のマーケティング戦略や分析を担当しています。」

岡谷市出身で高校卒業後は米国ハワイ州の大学に進学。そこでプログラミングに興味を持ち、その後東京での就職活動をするも、コロナ禍で親にUターンを勧められ、友人が働いていた「ユリーカ」に就職を決めた

日々、新たな事業のタネを探し、事業化に向けて動いている経営企画室では、これまでに公式サイトのリニューアルを実施。現在は人工知能を用いた社内プロダクト2つの開発を行っています。直近では、商品を海外展開したい事業者向けに「セカイデル」という越境EC導入支援サービスを立ち上げました。

武居さん「『セカイデル』は、以前から『ユリーカ』とパートナー企業、両社のアセットを活かしながら、ECサイトの構築や、海外販売の対応化のサポートができないかという話があり、事業化したサービスです。経営企画室でやろうと決めてからは、1ヶ月もかからず、ローンチまでたどり着きました。」

ところで、経営企画室に所属する武居さんと菱田さんはどちらも20代で入社歴も数年以内。社内の平均年齢は30代前半という若手人材が多く活躍するユリーカですが、新規事業の立ち上げは一層若い社員が担当しています。その理由を青山さんに尋ねました。

「セカイデル」は購入代行サービスと自動言語翻訳サービスを組み合わせた、越境EC導入支援サービスで、商品を海外展開したい事業者を支援する

青山さん「若い頃って適切なチャンスさえあれば、めちゃくちゃ成長できるんです。逆に、キャリアが長いと、知識や経験は豊富でも、予備知識があることで挑戦する前にやらない理由やできない理由を探してしまうこともある。そのため、経営企画室を立ち上げる時には、新規事業立ち上げに興味がありそうな若手を中心に声をかけました。ただ、声をかけるまではやっても、次の一歩は自分で決めるべきだと思っています。何人か声をかけたなかで、唯一『やりたいです』といったのが武居だったので、彼に経営企画室を任せることにしました。」

武居さん「お話をいただいた時は『社長のもとで経験を積めるなんて、こんな美味しい話ないな』と。自分が成長するための絶好の機会だと感じ、『ぜひやらせてください』と伝えました。」

前例がないことに取り組む経営企画室に必要なのは、勇気と行動力。まだ誰もやっていないことでも、自ら「やりたい」という気概を持った社員には積極的にチャレンジの機会を与えるというのが、若手人材が活躍する「ユリーカ」の特色の一つかもしれません。

コストゼロから本当に求められる新規事業をつくりつづける

一方、新規事業の立ち上げは、一筋縄にいかないのは確か。特に、事業化に向けてはさまざまなハードルがあり、想定される事業規模を達成するような事業プランを考えられなかったり、実際のローンチまで漕ぎ着けなかったりするケースもたくさんあると聞きます。事業立ち上げの経験が比較的浅い若手社員でも、自ら事業立ち上げを行うようにするために、「ユリーカ」ではどのような工夫をしているのでしょうか。

何かについて知っているというのが知識、知識をどの場面でどう活用できるかが、見識。最終的に覚悟を決めて実行していく丹識。この3つを総称して三識と呼び、大事にしている青山さん

青山さん「やはりビジネスなので、収益化につながるかという観点は持っています。ただ、収益化に向けては、単価をあげたり、ユーザー数を増やす以外にも、最低限のコストでやっていくというやり方もあります。経営企画室の設立当初から武居に伝えていたのは、『いかにゼロコストで始めるか』でした。『お金を借りてきたり、何かしらコストをかけるというところではなくて、投資ゼロからどうやってスタートできるかをまず考えよう』と。また、根本にあるのは量から質が生まれるという考え方です。とにかく事業としてローンチし、きちんとプロモーションをして、失敗したとしたら、なぜそれがうまくいかなかったのか振り返りをする方が大事だと考えています。」

こうした青山さんのアドバイスを受けて、経営企画室に配属された武居さんが最初に着手したのは、会社の倉庫に眠っていた物品をフリマアプリで販売するところからでした。

事業づくりのプロセスを通じて多くの試行錯誤の経験を共有してきたおふたりは社長と部下というよりも、共に事業を立ち上げる同志になりつつある青山さん(写真右)と武居さん(写真左)

武居さん「青山からは事業計画のつくり方についてのアドバイスもいただきましたが、それよりも目の前で100円でも売り上げをつくることの方がよっぽど大事だと教わりました。なぜかというと、いざという時に、既存のサービスを活用してでも、とにかく自分たちの活動資金を増やすというところにいつでも立ち帰れるように。事業にお金は必要ですが、最初にお金をかけてしまうと『せっかくお金をかけて立ち上げてたのだから』という意識が働き、事業のピボットがしづらくなることもあります。一つのアイデアに固執するのではなく、サービスの種を100個まき、芽が出たものだけ鉢植えに入れ、水をやって育てていくことを意識しながら事業をつくっています。」

求めるのは顧客視点を踏まえた適切な提案ができるエンジニア

入社当初はエンジニアとして働いていたという武居さん。「つくることに一生懸命だった」という当時と比べ、経営企画室で事業立ち上げやマーケティングなどを実践してきたことで、徐々にビジネス視点や顧客視点を身につけることができたといいます。つくる側と顧客側の両方の視点を持ちながら、どのようなことを大切にしながら日々の業務に取り組んでいるのでしょうか。

武居さん「いつも思っていることは、早く実績をつくりたいということですね。理想をいえば、今立ち上げている事業をきちんと収益化させていって、会社の財務諸表に載るくらい、事業を大きくしたいと考えています。そのためにも、やはり大事にしているのは量から質が生まれるという考え方です。なので、連絡一つとってもそうですし、考え方ややり方でいいものがあればすぐに採用するなど、普段から柔軟性とスピードを大事にして働いています。」

最近では、経営企画室の動きを見ながら、「自分も経営企画室で働いてみたい」という若手社員も増えてきているそうだ

しかし、IT技術を使った新規事業の開発にどうしてもつきものなのがプログラミング。社内にはエンジニア人材が多くいるものの、普段のプログラミングは、既存事業の業務システム開発や受託案件が中心。日頃使っていない新しい技術を使った開発をすることに、不安を抱いてしまう人もいるようです。

武居さん「社内の人に声かけたり、社外のエンジニアに手伝ってもらうこともありますが、自分で手を動かしてつくることも多いです。けれども、考えることとつくることを並行してやっていると、進捗がどんどん遅れていってしまいます。そのため、チームに今必要なのは、つくることを専門にやる人だと感じています。」

そうした背景から、今回募集するのは、経営企画室の一員となり、事業立ち上げを加速させるサービスディベロッパーになることを目指すエンジニア。お客さんが何を求めているのか、場合によってはお客さんが日々置かれている環境まで想像しながら、IT技術を活用した最適なソリューションを提供していく姿勢が求められます。

青山さん「エンジニアにとっては、技術に対する知識を持つことも大事ですが、その場において一番最適な解決策は何かをきちんと理解し、提案できる力も必要です。お客さんの業務のことも鑑みて『こういうものが必要ですよね』と、適切なアドバイスができるか。新製品の開発であれば、『こういう機能があったらお客さんが喜んでくれるんじゃないか』と考えられるか。さらに高望みするなら、それらを多少リスクがあってもやり遂げる覚悟があるかということだと思っています。そうした経験の積み重ねの末に、プログラムを書くだけでなく、『ITの専門家のあなたがいうならそれがベストな回答ですね』とお客さんを納得させられるような、本物の提案ができるようになってもらえたらと思います。」

代表である青山さんも一緒になって事業をつくっていく経営企画室は、青山さん自身が考えていることややりたいことを体現しながら社員に伝えていく機会。同時に、将来自分もこの会社でこういう道も選べるんだという社員たちのキャリアパスの刺激になったらと考える

今後は、おおよそ月1件くらいのペースでの新規事業の立ち上げを検討しているという経営企画室。エンジニアとして参画したあかつきには、経営企画室のメンバーと新規事業アイデアを練りつつ、最適なソリューションを検証するための試作品の開発や、実装に向けたプログラミングなどを早いピッチで行っていく必要があります。そこで重要なのは、できない理由ではなくどうしたらできるかを考え、学びながらアウトプットする姿勢。チームと一緒に試行錯誤を繰り返しながら、事業化を目指していきます。

老舗IT企業の伝統と革新の上に、「ユリーカ」ならではの価値創造を実現する

0から1を生み出すスタートアップと比較しても、「ユリーカ」の強みは堅牢な既存事業があること。事業立ち上げにおいては、しっかりした経営基盤や長年の顧客との信頼関係を通じて培ってきたリソースやアセットを活かしながら挑戦ができる、恵まれた環境があります。

青山さん「創業以来、組織の中で息づいてきた文化を大切しながら、少しずつ新しい文化が加わっていくことで、新しい『ユリーカ』が形成されていったらいいなと。最終的には日本や世界のビジネスシーンにおいて、インパクトのあるアクションをしたり、いろんな人たちを幸せにして、雇用を創出するかっこいい経営者を『ユリーカ』からたくさん輩出したいですね。」

武居さんが熱狂を感じる瞬間は、求められる事業やサービスをがっつり集中してつくっている時だという

武居さん「自分は、経営企画室を熱狂し合えるチームにしていきたいです。少しずつ実績をつくりながらチームを大きくしていくなかで、熱狂する瞬間を共有できる仲間を増やしていけたらと思います。」

「ユリーカ」の公式サイトには経営するなかで大事にしている企業理念が名文化されています。

“考え抜かれた道具はごくシンプルです。まどろっこしくない、誰にでも使いやすい。よく研がれた包丁は気持ち良い。だからもっと使いたくなる。料理をしたくなる。考え抜かれ、磨き抜かれた道具こそ、簡単に使える、気持ちよく使える。そんなシステムを作ります。”

「ユリーカ」公式サイトの企業理念としては、シンプルとレボリューション(変革や革命)を掛け合わせた造語、“シンプレボリューション”と記されている

創業から40年以上、常にお客さんやユーザーのことを考え抜いてきたIT企業がつくるシンプルなITソリューションで、ビジネスや日常の中に小さな革命や進歩を起こしていく「ユリーカ」。このチームで、たくさんのサービスやプロダクトをリリースしていきませんか。

文:岩井美咲

希望者は応募前に個別相談も可能です

応募前に質問や確認したいことがある方は個別相談を受け付けます。
◎オンライン/オフラインどちらでも実施可能です
◎企業担当者と応募前に事前に説明や相談を行うことができます。

ユリーカがどんな会社なのか、実際の働き方はどうなるかなど、気になる点をざっくばらんにお話ししましょう。

ご興味がある方は以下よりお申し込みください。
▼個別相談の申し込み・詳細はこちら

募集要項

[ 会社名/屋号 ]

株式会社ユリーカ

[ 募集職種 ]

新規事業開発エンジニア

[ 取り組んでほしい業務 ]

当社に2021年に新設された経営企画室にて、新規事業の立ち上げを加速させるサービスディベロッパーを目指していただきます。代表の青山や室長の武居とともに顧客ニーズを的確にとらえ、スピード感を持って最適なソリューション開発を行っていただけるパートナーとなっていただきたいと考えています。

[ 雇用形態 ]

正社員 or 業務委託
※リモートワーク可能
※一人一人の働き方に合わせてご相談可能

[ 給与 ]

300万円〜540万円
※経験や働き方によって一人一人相談させていたただきます
※業務委託の場合勤務時間や報酬等も柔軟に相談可能です

[ 勤務地 ]

株式会社ユリーカ
〒399-0702 長野県塩尻市大字広丘野村1688番地1 広丘ショッピングタウン(GAZA)3階
※社員のほとんどは出社とテレワークを組み合わせたハイブリッド勤務をしていますので、遠方の方もお気軽にご相談ください。

[ 勤務時間 ]

9:00〜18:00(内休憩60分)

[ 休日休暇 ]

完全週休2日制(土・日・祝日)
年末年始休暇(5日前後)
夏季休暇(2日)
慶弔休暇
出産・育児・介護休暇
生理休暇
※年間休日126日
※有給休暇入社後3ヶ月目に付与+(毎年4月)11日~20日

[ 昇給・賞与・待遇・福利厚生 ]

【保険】雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険
【制度】自己啓発支援制度、慶弔見舞金制度、育児・介護休暇制度、IUターン補助制度(引越し代等の補助)、定年60歳(再雇用制度あり)

[ 応募要件・求める人材像 ]

<必須>
・システム開発経験(経験言語問わず)
・知識技術よりもスピード感を持ち新たなサービスを作りたいという気概
・経験したことがないことにも挑戦する意識、成長意欲

[ 選考プロセス ]

【STEP1】ながの人事室フォームより応募
 ※応募締め切り(1月28日)
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【STEP2】書類選考
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【STEP3】面接
  ▼
【STEP4】採用内定

[ その他 ]

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